一般的なお店などの接客と看護師に求められる接遇は異なります。体調が悪く不安を抱えた患者に対する接し方は「明るく・ハキハキ」だけでは足りません。まず、医療従事者として清潔感のある身だしなみはもちろんの事、威圧感を与えないように丁寧に接する必要があります。
また、患者さんの状況に応じて笑顔だけでなく、共感を持った適切な表情で接することも求められます。もちろん、直接的な会話だけでなく、患者の不安や苦痛を解消できるよう院内の設備を整えたりすることも大切です。
入院患者であれば患者のベット周辺やトイレなどの導線に問題はないか、落ち着いて安静が維持できる環境であるかどうかも心配りする必要があります。外来であれば受診してから診察までの手順が円滑であるか、苦痛なく待合室で待機してもらえているかどうかなど細やかな気配りをしましょう。
診療までの待ち時間は長いことが多いものですが、事前に待機時間の目安を伝えておくことで患者のストレスを軽減することもできます。体調によってはベットで休ませたり、診療の順番に配慮することも検討するべきですが、その際は他の患者に対しての配慮も忘れないようにしましょう。
その他、患者に対する看護師の接遇の基本となるのが言葉遣いです。節度を持った敬語を使うことはもちろん、患者の体調や状態に即した声掛けも求められます。長く受診している患者に対しては親しみから言葉が崩れがちになりますが、その言葉遣いを他の患者が見ていることを忘れないようにしましょう。
接遇の基本を身につけたあとは、医療現場で必要とされる接遇についての知識を深めていくことで応用力を育てることができます。また、現場では接遇への意識も高まりつつあるため、接遇スキルの向上に努めることも必要となってくるでしょう。